由良港(2018年度)

魚種別漁獲量:1386トン

由良港は庄内浜の中心に位置しており、比較的沿岸部に近い“前沖”には多くの魚が生息し、良質な漁場となっている。このため定置網・底曳網・刺し網・はえ縄など、あらゆる種類の漁船が操業しており、山形県で獲れる魚種は、ほぼ全てここで見ることができる。

特に定置網漁が盛んで、春から夏にかけてはイナダ・ワラサ・アジ・トビウオ・ウマズラハギなど、さまざまな魚が水揚げされる。秋には日々数千本のサケが水揚げされ、迫力のある光景を見ることができる。底曳船も多く、初夏にはマガレイ(口細ガレイ)、秋から冬にかけてはハタハタ・ズワイガニ・マダラなどが水揚げされる。

庄内浜で“口細”と言えば由良、タラと言えば“由良ダラ”と言葉が出るくらい、由良で獲れる魚は地場での消費が多いのが特徴。これは昔から“浜のアバ”と呼ばれる女性たちがリヤカーを引いて、由良から鶴岡の市街地へ行商し、対面販売で魚のおいしい食べ方を伝えてきた文化が継承されてきたためである。